後ろプロペラ機の震電を技術者の目線で見てみる

巨大な6翅プロペラが戦闘機の後ろに付いている震電。その後のジェット機で主流となる後退翼と合わせて、なんともカッコがいいです。

 

技術者目線で見ると

ところが、この震電を技術者の目線で見るといきなり厳しくなります。

プロペラを回すと、逆方向にトルク回転が発生します。

だから、単発のプロペラ機のパイロットは常にトルク回転を打ち消すように操縦桿を操作します。

フライトシミュレータの出来がいいと、この単発プロペラ機のトルク回転が再現されていて、常に操縦桿を傾けることを要求されます。

(零戦で格闘戦を操縦する時もこのプロペラの生み出すトルク回転を利用します)

 

機体の後ろにプロペラをつけた飛行機を設計するなら、2つのプロペラをつけ1つを逆回転させ、プロペラの生み出すトルク回転を打ち消します。

でも、機体の後ろのプロペラが1枚となった時点でアウトです。

プロペラが後ろにあると言うことは、このトルク回転を打ち消す翼に、プロペラから生み出される空気の流れは当たらないと言うことになります。

これから発進しようとプロペラをぶんと回すと、翼には一切風は当たっていないので、飛行機は転倒しようとします。

空を低速で飛んでいるときに、加速しようとしてエンジンをスロットルをぐいと倒した時も同じです。機体の後ろのプロペラが生み出す巨大なトルク回転に対して、翼には低速の風しか当たっていないので、機体の姿勢が乱れます。

なんとか飛ぶので精一杯。戦闘機としての高度な運動性能などは望みようがないです。アウト。

戦争に負けて苦しいときに、こんな馬鹿げた試作機に工数をつぎ込んだ海軍関係者と請け負った側の罪は重いです。

 

 

ミリタリーとは空想なのか?

試作機を飛ばす前から失敗することが分かる震電ですが。。ミリタリー雑誌には何度も出てくる人気者です。

日本の海軍機は零戦が通用しなくなってから、全く良いとこ無しです。雑誌側もこのギミックな飛行機を取り上げるしかないでしょう。

戦闘機にしろ軍艦にしろ、冷徹な物差しで測るのが真のミリタリーであるべきです。空想するならファンタジーでしょう。

 

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