水上機母艦千代田、千歳を考察してみる

バイエルン王ルートヴィッヒ2世。

彼はワーグナーに心酔して彼のオペラを上演するためだけに、ドイツの一王国バイエルンに中世の城を建てまくります。

近代なのに「なんで中世の城を建築するんだ!」と彼は国民から追放されます。

ところが、彼の作った「ノイシュヴァンシュタイン城」は今となってはドイツの大切な観光資源です。彼の無駄遣いがいまのドイツ国民を末長く潤わせるといった事態になっています。

相当脱線しましたが。。

日本海軍と言えば、少ない開発リソースを無駄に分散して、効率とは無縁な組織でした。

日本海軍の無駄使いを列挙してみます。

・戦艦信濃を空母に改造

はっきり言いますけど、大戦末期に戦艦改造の空母じゃないでしょ。(日本に必要なのは輸送船と輸送船の護衛艦でした。。なのに大和シリーズ3番艦を途中まで作ったなんて。。戦争経済って誰も考えていなかった?)

・水上機母艦千代田・千歳を空母に改造

すぐに空母に改造できるはずが、ディーゼルエンジン搭載でした。。ちゃんちゃん

・潜水母艦大鯨を空母に改造

潜水母艦ですから特殊な船です。それを改造するのは当然大変でした。

・戦艦伊勢、日向を航空戦艦に改造

日向の主砲爆発事故がきっかけですが、改造して水上機数機じゃね。。

・伊号400系と春嵐の開発

莫大な開発リソースを掛けて、水上機爆撃機が数機の戦力!

戦後のアメリカの戦略型原潜のお手伝いにしかならなかった。。

・巡洋艦伊吹の空母への改造

なんだかんだ言って、完成しませんでした!

・高速給油艦の空母(瑞鳳)への改造

高速給油艦の方が需要がありました!というオチ

日本経済・日本海軍・陸軍に不足していたのは輸送船です。特に油槽船!それを空母に改造するとは!!

 

全部、無駄でした。

役に立つのは戦後になってから、そのギミックさや先見性と言う金メッキできらめきを放つようなってからです。

個人的に一番好きな船は水上機母艦千代田・千歳です。

 

水上機母艦がお気に入りの理由

1つ目、水上機を24機も運用すること。

2つ目、贅沢にも12.7cm高角砲を2基を搭載していること。

3つ目、貴重な25mm連装砲を6基も搭載する贅沢ぶり。

4つ目、短艇を収容部分に天蓋が設けられ、帰着甲板として使うことができた(?)。短艇の格納場所とかデザインセンスが悪いという話はあります。

5つめ、ディーゼル、蒸気タービンのハイブリットなエンジン。

 

対潜、船団護衛で運用すべきだった

はっきり言います。。空母に改造すべきじゃなかったです。

日本に一番必要な船は、米潜水部隊から日本の航路を守る船です。

イギリスなどは、船団を守るために商船にカタパルトと搭載して、片道切符の戦闘機を対潜攻撃に使っていました。

水上機母艦の千代田と千歳は、空母に改装するためにドック入りする暇があったら、水上機母艦として船団護衛で活用すべきでした。

あーあ。。バカな日本海軍。日本が太平洋戦争で大躍進したのも、大戦末期で苦しい最中に戦ったのも海軍基地航空隊です。空母部隊じゃないです。

ミッドウェイの大敗の損失は4隻の空母を失っただけではすみませんでした。無駄な改造空母の開発プランの乱立や、空母大鳳の開発の空転など悪影響は幅広いです。

 

レイテ沖海戦では

レイテ沖海戦では空母として参加しましたが、最初から囮艦隊ということもあり、ろくに艦載機を搭載しませんでした。

水上機母艦として参戦していたらどうでしょう。

すでに大戦末期に水上機が活躍できる状況ではありませんでした。

でも、西村艦隊はアメリカ軍の魚雷艇に手を焼きます。

水上機母艦として西村艦隊に随伴していたら、魚雷艇の撃退に、艦隊の目として偵察にと、いろいろ活用できたはずです。

(ただただ前進しかしなかった西村司令には無駄な戦力ですが)

 

空母としての実力は?

新型の艦載機は大型なため、カタパルトのない日本の軽空母には搭載できませんでした。

マリアナ沖海戦当時、零戦は敵の戦闘機にまったく歯が立ちませんでした。

と言うことは、千代田・千歳が空母として搭載した零戦やオンボロの97式艦攻では戦力にはなりません。

戦いというのは可能な限り、統一された兵器で行う必要があります。日本の空母部隊の艦載機が、新型の天山と旧式の97式艦攻が混在するのは良く無いです。(巡航速度からして違うはず。逆に一緒だとしたら天山の性能が悪いと言えます)

この千代田・千歳は空母として運用するのであれば、あくまでも護衛空母として使うべきであって、決戦に引っ張り出している時点でアウトです。

 

 

 

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