航空巡洋艦利根の先見性と制約

巡洋艦の利根クラスは、艦の前半が20cm 連装砲4基の巡洋艦、艦の後半は水上機母艦という、ハイブリットな艦で航空巡洋艦とも呼ばれていました。

こういうギミックな利根は大のお気に入りです。World of Warshipsでも登場してほしい艦の1つです。(と思ったらTier8であるようです

ただ、World of Warshipsでは巡洋艦にとって後部砲塔がとても重要です。後部砲塔の無い利根は苦行艦になってしまうでしょう。

フランスの戦艦ダンケルクも前部が4連装主砲2基、後部が副砲という超尖った戦艦ですが。。こいつを追撃するとダンケルクは横腹を晒すぐらい艦を振って斉射していました。

こんな操艦された時は、相手の動きに合わせて斉射すると、簡単にバイタル抜きができそうです。

 

水上機による索敵には制約が多い

日本海軍は水上機を使った索敵を重視し、空母の艦載機は攻撃用に温存する方法をとりました。

結果、機動部隊の索敵は利根型の2艦の水上機の制約(規模と速度)を受けることになります。

「利根4号機」と言えば、ミッドウェー海戦で米機動部隊を発見したことで有名ですが、逆に言うと索敵には一切、空母の艦載機を使っていませんでした。

 

水上機の運用が艦隊防衛に穴を開ける

利根クラスを艦隊の目(索敵)として運用するには幾つか問題があります。

搭載する水上機の航続距離が短い、巡航速度が遅い

ミッドウェー海戦では利根の水上機は300海里を索敵します。

空母部隊の攻撃範囲は200〜250海里と言われています。(Wikipedia 源田実

300海里の索敵はあくまでも、攻撃圏内に敵が居るか確認するのみであって、敵機動部隊の索敵としては不足しています。

また、日の出とともに索敵を開始すると、攻撃圏内の敵を素早く索敵する必要があります。

ところが、水上偵察機はフロートをぶら下げている分だけ低速です。偵察速度が遅いのは機動部隊の防衛に影響があります。また、敵の戦闘機に補足されると、間違いなく機体と搭乗員達を失います。

 

水上機を運用すると艦隊防衛に穴が開く

水上機を着水、回収するには、母艦の利根が急旋回しながら停船することで、荒れた海を利根の推進器でかき乱し「アヒルの池」を作り出します。

水上機はその「アヒルの池」に着水し、利根のクレーンで回収されます。

と言うことは、利根クラスは水上機を運用するために、機動部隊から何度も離れて単独行動しなければならないということです。

その間、機動部隊の防衛には穴が開いたきりです。(もっとも、日本海軍が輪形陣を作るのは、だいぶ後です)。

潜水艦が活動している海域では、水上機の回収で停船するのは大変危険です。対潜警戒のために利根に駆逐艦を1隻随伴させると、ますます機動部隊の防衛に穴があきます。

 

制空権の無いところでは水上機の運用は厳しい

利根クラスは艦の半分を水上機を運用するスペースに割いています。

このため、利根クラスの性能を最大限に生かすには、水上機を運用することが必要です。

ところが、制空権のない戦いが多くなった大戦後半は、水上機を搭載しない・運用しないことが増えました。

大戦後半はアメリカの潜水艦の活動で多くの艦が沈められましたが、搭載する水上機で、対潜索敵・攻撃を行うとか、利根クラスの能力を最大に活用する手があったかも知れません。

ミッドウェー海戦で大敗した日本は、戦艦から巡洋艦に至るまで、空母・航空巡洋艦に改装しようとします。

この途方もない開発リソースの無駄使いをした挙句、搭載機なしで各艦は出撃していきました。

空母が必要なのであれば、雲龍型クラスを何も考えずに量産すれば良かったのに勿体無い話です。

 

 

 

 

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